【時視各角】消費回復は錯視だ=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.11.30 10:45
消費を後押しした不動産の景気も危険だ。今年、建築許認可を受けた住宅は70万世帯を超える見通しだ。盆唐(ブンダン)・一山(イルサン)新都市を作った1990年以降で最大だ。それだけにマンション・アパートの建設現場も増えた。現場にはお金が回る。しかし慰礼(ウィレ)や東灘(ドンタン)を最後に当分、新都市開発はない。建設会社はさらに建てたくても土地がないとわめく。来年の建設景気が今年に及ばなくならざるをえない理由だ。さらに手綱の解けた不動産費用に家賃拡散で住居費の負担はぐんと跳ね上がった。来月、米国連邦準備制度理事会(FRB)が金利を上げれば融資の利子負担も雪だるま式に増える。
官製の消費ブームでも呼び水になって投資を刺激するならば好循環が起きうる。しかし国内の製造業はすでに切羽詰まっている。中国が輸出から内需主導へと成長戦略を変える中で、新規投資どころか過剰設備も手にあまる。サムスン・現代(ヒョンデ)自動車・SKのような大企業でさえ見込みのない事業を整理するのに汲々としている。金利が上がり始める来年には「ゾンビ企業」の退出も洪水になるしかない。消費回復が投資を刺激して雇用が増えて再び消費拡大につながる教科書的な好循環を期待するのは難しい。この状況に帳付けで書いた消費請求書まで加われば、来年には「消費絶壁」にいたるかもしれない。