【コラム】粒子状物質と文在寅政府の1万5946時間(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.08 17:59
「人がホコリ(よりも下)だ。人に何の罪があるか」。「人間が先だ」〔文在寅(ムン・ジェイン)大統領の2012年大統領選のスローガン〕をパロディした掲示物が最近、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にあふれ出ているのを見ると、最悪の粒子状物質局面を迎えた文在寅政府の遅い対応に唖然とした人が私一人だけではなかったようだ。今年に入ってますます長く、激しくなっている「粒子状物質テロ」に国民はすでに耐えられないとわめいている。「三寒四粒」(3日間寒くて4日間粒子状物質)でなく、観測以来最高に深刻な粒子状物質が半月以上続いたから当然の反応だ。ところが、非常低減措置を知らせる安全メッセージが5日連続で届いていた3月5日午後6時に大統領が環境部長官からただの報告でもなく「緊急」報告を受けたそうだ。このような状況だから国民から不満の声が高まるほかはない。
翌日も同じだった。「非常な時期に非常な措置を取るのが政府の責務」という大統領の原則的な一言に突然、長官らが忙しくなった。全国の小・中・高校生が粒子状物質に無防備なまま始業を迎えてもいかなる対策がなかった愈銀恵(ユ・ウネ)教育部長官は、写真写りの良い黄色い作業服を着てソウルのある小学校の教室を訪れ、設置された空気清浄器を見物した。パク・ヌンフ保健福祉部長官も保育園を訪問してマスクをした顔写真を撮影して帰ってきた。国民の苦痛に対する省察よりは大統領の顔色をうかがっているような長官らの騒ぎ立てる姿を見ていると、逆説的に粒子状物質問題の解決にその間この政府がどれほど関心がなかったのかが改めて気づかされる。粒子状物質が本当に政府の主な関心事だったなら、長官らが今までこのように手を離していたはずがない。ただ粒子状物質が退くまで世論をなだめる、「見せかけのイベント」程度で対応すればいいと考えているのが現政権の思考水準ということを気の利く長官なら見抜いていたということではないだろうか。