「統一後も北のエリート没落しない」との確信与えてこそ韓国に助け(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.07.22 15:37
--統一のためには周辺強大国の役割が重要だが。
「現在、北朝鮮に最も大きい影響力を行使している国は中国だ。朴槿恵(パク・クネ)政権が中国と親密な関係を維持するのは望ましい。だが肝に銘じなければならない点がある。韓半島統一によって中国が最も恐れていることの1つは、韓半島が緩衝地帯(Buffer Zone)としての役割を失うことだ。こういう場合、中国と米国が鴨緑江(アムノッカン)を挟んで対立する状況がつくられる恐れがある。統一後、在韓米軍が韓半島に残れば中国としては最悪だ。中国は決してこれを望んでいない。このために韓国政府は中国の安保にとって威嚇になる米国の政策に非常に慎重に対処しなければならない。米国主導のミサイル防衛(MD)体系もその1つだ。また金正恩政権の崩壊後、北朝鮮に暫定政府が樹立される場合、中国は一定部分役割をするだろう。長く親密な関係を維持してきた朝中関係を見れば、果たして両国のエリート集団がどんなふうに協力するかによって統一の方向性が決まるかもしれない。中国と多様な分野で協力を強化しなければならない理由の1つだ」
--大統領直属「統一準備委員会」についてはどのような立場か。
「平和統一を長期的な観点で準備しようということには積極的に賛成する。だが準備委に対しては少し惜しい点がある。この組織は政治的な団体ではない。韓半島統一のための汎民族的な使命を帯びていなければならない。すでに保守と進歩の委員比重をめぐって嫌な声が出ていてはいけない。韓国社会の統一を眺める視野がまだ狭いようだ。統一のためには長期的で包括的な見解が必要だ。準備委委員に、保守と進歩というものさしを突きつけてはいけない。また準備委が統一政策に関連した政治権力を行使する舞台に転落してもいけない」
--それではどんな代案があるか。
「現在の韓半島を囲む力学構図を見る時、統一は韓国の一方的な政策推進では得ることはできない。周辺列強の利害関係が絡み合っているからだ。特に米国と中国の役割は韓半島統一に絶対的だ。韓国の見解だけで統一問題を見てはいけないという意味だ。準備委がまともに働くには周辺強大国の見解を彼らの立場で代弁して分析できる専門家たちが必要だ。米国・中国・ロシア・日本などには少なくない韓半島専門家たちがいる。私たちの同胞の中にも立派な学者が多い。これらを準備委に含ませることが望ましいと見る。こういう場合、国内で提起されている準備委の構成と役割に対する議論も終わらせることができるはずだ。これと共に、統一プランを用意するためには多様な分野の専門家が必要だ。政治・経済・文化など多様な分野の専門家たちがまんべんなく招へいされなければならない。統一は結局、単純に国土の統合でなく2つの社会が1つになることだからだ」
パン・チャニョン氏…1964年延世(ヨンセ)大学経済学科を卒業して米国コロラド大学で経済学博士号を取った。カリフォルニア州立大ロサンゼルス キャンパス(UCLA)などで教授をつとめた。91年カザフスタン大統領経済特別補佐官と経済改革委員会副委員長をつとめて資本主義体制の定着に寄与した。92年にはカザフスタンの人材養成のためにキメプ(KIMEP)大学を設立して中央アジアの名門大に育てた。
(中央SUNDAY第384号)
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