【時視各角】韓国には安倍首相も崔天凱大使もいなかった

【時視各角】韓国には安倍首相も崔天凱大使もいなかった

2017年09月05日07時52分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  中国最高位層の集団居住地、中南海。半月後には習近平-彭麗媛夫妻とある若い夫妻がここで夕食を楽しむ姿を世界メディアが伝えるだろう。主人公はトランプ大統領の長女イヴァンカ氏と婿クシュナー氏。このプロジェクトの主役は「精力的戦略家」崔天凱駐米中国大使だ。「中国の政治宣伝に利用されかねない」という慎重論はイヴァンカ夫妻の強大な権力に押しつぶされてしまった。ワシントンの政界には「民間人がトランプ大統領のそばを離れたし、近いうちに軍人が離れるはずで、最後はファミリー(イヴァンカ夫妻)しか残らないだろう」という言葉が定説だ。「親バカ」なトランプ大統領を読んだた習主席の策略はいくつかある。しかし結局、核心は来月18日の全国共産党全国代表大会(党大会)の雰囲気を盛り上げることだ。

  しかしワシントン外交関係者は「表に見えるものがすべてではない」(在米日本大使館の関係者)とみている。ホワイトハウス消息筋は「トランプ大統領-安倍首相の電話会談は就任後11回も行われた。しかし実際にはトランプ大統領と習主席の電話会談は公開していないだけでもっと多いはず」とし「韓国に(動きと情報が)露出しやすいマクマスター補佐官やティラーソン国務長官ではなく、クシュナー氏を米中間で隠密な『北朝鮮ビッグディール』のメッセンジャーとして使おうとしている」と伝えた。

  クシュナー氏の背後には同じユダヤ人のヘンリー・キッシンジャー元国務長官がいる。クシュナー氏は最近、キッシンジャー元長官の助言に耳を傾けているという。キッシンジャー元長官の構想は一言で「北朝鮮と対話をしても完全な核廃棄を得ることはできない。中国は北朝鮮体制を崩壊(金正恩除去)させ、米国は在韓米軍を撤収する『事前ビッグディール』に合意すべき」というものだ。露骨に言えば、南北は気をせず大国同士が手を握らなければいけないという主張だ。実際、トランプ大統領としては一滴の血も流さない軍事作戦、立場が変わった北朝鮮との交渉すべてが「ミッションインポッシブル」だ。大きなことを言ってもカードがない。こうした状況で今回の6回目の核実験は「キッシンジャー構想」に馬を乗り換える良い口実になる可能性がある。

  窮地に追い込まれたのは米国より韓国だ。トランプ大統領が3日にツイッターに載せた「韓国は融和的な対北朝鮮政策が作動しないことを知りつつある」というコメントについて、ワシントンポストは「韓国を叱った(scold)」と伝えた。耳に障るが、それが米国内の雰囲気だ。

  青瓦台(チョンワデ、大統領府)は「我々はこの地で戦争の惨禍を繰り返すことはできない」とし、米国と立場が違うしかないと強調する。正しい言葉だ。しかし現政権が想定する戦争の可能性が「米国の先制攻撃→北朝鮮の反撃対応」なら、米国がそのような行動をとらないよう連携、説得して信頼を築くのが先だった。それを徹底しなかった。THAAD(高高度防衛ミサイル)や根拠のない自信でジグザグに進み、不信感ばかり深めていった。安倍首相がトランプ大統領の「ターゲット」から「親友」になったのには理由がある。「電話会談の回数や時間が重要なのではない」という青瓦台の主張には同意する。しかしそれは指導者の間に信頼がある場合に言う言葉だ。結局、我々には安倍首相も、トランプファミリーを招いた崔天凱大使もいなかった。重みのない応援コメント一言に「水一滴も漏らさない同盟」と喜ぶ外交安保アマチュアだけがいたのだ。

  トランプ大統領は6月の韓米首脳会談で年内の韓国訪問を約束した。どうなるのだろうか。コリアパッシング(passing)はコリアバッシング(bashing、韓国たたき)、そしてコリアナッシング(nothing、何でもない韓国)になるかもしれない。繰り返し言うが、状況を直視してこそ韓日米の連携、中国の協力、国際社会の同調を勝ち取る機会も見いだせる。まだ遅くはない。

  金玄基(キム・ヒョンギ)/ワシントン総局長
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