<趙英男の日本文化ルポ>5.「隣の国、日本」の扉は開かれていた
来年の韓日国交正常化40周年を控えた時点に、どの国の扉が固く閉められていて、どの国の扉が大きく開けられているのかについて考えてみるのは、やや「時遅し」の感じもなくない。日本に滞在する間、私は朝日新聞・政治部記者のインタビューに応じた。私が先に「歌手生活35年の間で、外信の政治部記者に会ったのは今回が初めて」だと話すと、記者は興味深い質問を投げてきた。
「韓国政府の過去史清算作業は、日本まで少ながらず緊張させている。あなた見方は?」。私は一気に自分の意見を語った。「それが国論ならば賛成、単に一党レベルのものならば不賛成だ」と。つまり、現在の南北(韓国・北朝鮮)が分断した状況で、一方だけによる過去史清算は、なぜか不完全なものに思える、と話したのだ。質問は続いた。「なぜ、ある日突然自ら親日派になったのか」。