中国が日本の安倍晋三首相の靖国神社参拝後、初めて尖閣諸島（中国名・釣魚島）周辺海域に自国の海洋警察船を進入させた。これまで外交部など関連部署の批判的論評から段階的行動に日本を圧迫するという意図だ。

中国の国家海洋局は２９日、ホームページを通じてこの日午後に３隻の海洋警察監視船が編隊をつくって釣魚島海域を巡視したと明らかにした。中国船舶は約３時間、尖閣諸島１２カイリ（２２キロ）海域を航行して午後５時頃、尖閣海域の外に出た。日本の船舶との衝突はなかった。中国が自国の監視船を尖閣諸島海域に進入させたのは、２６日の安倍首相の神社参拝後初めてだ。中国は安倍首相の神社参拝後に対日非難の程度を高めてきたが、具体的な対日措置や行動は自制した。

日本外務省の伊原純一アジア・オセアニア局長は２９日、韓志強・駐日中国公使に電話で中国監視船の尖閣諸島進入に抗議したと共同通信は伝えた。日本政府はまた、自国の民間活動家が漁業者を装って尖閣諸島に接近することを規制する案を検討していると毎日新聞が３０日報道した。神社参拝以後、周辺国の反発が予想よりも強い状況の中で中国を刺激しないようにということだと解説されている。また日本人の尖閣進入を防いで中国船舶の尖閣諸島進入の名分を希薄化させるための戦略と思われる。

日本の現行関連法によれば、尖閣進入は漁業者または漁業見習生の場合に限って可能だ。日本政府は、これまで民間活動家が漁業見習の名目で漁船搭乗許可を受けた後に尖閣周辺海域に進入していたが、これを強く規制するということだ。

一方３０日午後、北京の日本大使館周辺には武装兵力１００人余りが配置されて過激な反日デモに備えているが、大きなデモは広がっていない。２９日には大使館前に車両遮断装置まで設置されるなど警備が強化された。