【社説】失敗に終わった金融労組ストが与える教訓=韓国(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.09.25 13:14
成果年俸制反対を掲げて一昨日にストを試みた金融労組の「銀行営業店まひ」をちらつかせた威嚇は言葉だけで終わった。銀行の窓口はこれといった混乱なく通常通りに業務を遂行し、懸念した金融大乱は起きなかった。金融労組は23日午前9時からソウル・上岩洞(サンアムドン)のワールドカップスタジアムで集会を開き10万人が参加するだろうと豪語した。だが金融監督院は1万8000人が参加したと集計されたと明らかにした。しかも国民銀行、新韓銀行、KEBハナ銀行、ウリィ銀行の4大銀行はスト参加率が3%にとどまった。
金融労組指導部はこうした結果を謙虚に受け止めなければならない。低調な参加率は大多数の銀行員がいまはのんきにストなどしている時ではないと意思表明をしたものとみなければならないためだ。いま銀行業は巨額の収益を出しているように見えるが風前の灯火の危機に直面している。基本的に銀行業の本質が変わっている。窓口に座って顧客対応する方式は近くほとんど消え、フィンテック(金融+技術)を基盤としたモバイル・インターネットバンキングが本格化しているためだ。韓国でも今年末にインターネット銀行が始まり、ビットコインのような電子マネーの使用が拡大すれば銀行業の窓口依存度はさらに減ることになる。
こうした変化に対抗すれば自滅しかない。韓国の銀行は1997年の通貨危機直前にも革新を先送りして5大メガバンクがすべてつぶれた。銀行業はいまも世界の金融業の革新速度について行けずにいる。昨年世界経済フォーラムの金融産業競争力比較で韓国は140の比較対象国中87位にとどまり、アフリカのガーナやナイジェリア、ウガンダにも後れを取った。韓国の銀行が長きにわたり家計向け融資で預貸マージンを得る方式で簡単に金を稼いできた結果だ。