【コラム】中国は韓国に対する経済報復カードに触れているが…
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.04 09:01
先月、中国の朝中国境地帯を訪れた。豆満江(トゥマンガン)と鴨緑江(アムノッカン)を横切る多くの橋の上を貨物車と列車が行き来していた。最大の国境貿易都市の丹東では世界のブランド品で満たされている商店を目撃した。北朝鮮新義州(シンウィジュ)がはっきりと見える鴨緑江周辺からわずか300メートルほど離れた大通り沿いに最近できたという。指導部に圧力を加えるとして対北朝鮮ぜいたく品貿易を禁止した国連安全保障理事会の決議を無力化するような現場だった。ふろ敷包みを担いだ非公式の貿易商が禁止品目をいくつか持って鴨緑江を渡ることまで防ぐのは容易でないからだ。実際、丹東駅や周辺の商店で金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)親子バッジをつけた北朝鮮住民をすぐ見つけることができた。人間貿易船だ。中国は住民の生存を理由に対北朝鮮貿易の余地を残していて、北朝鮮は今までゆうゆうと持ちこたえている。中国の協力なしには対北朝鮮制裁も、脱北民の安全も、南北の和解進展も容易でないということをそのまま見せる冷酷なリアリズムの現場だった。
このような状況で中国の一角では、在韓米軍のTHAAD(高高度ミサイル防衛)体系配備を受け入れた韓国に「経済報復」をするべきだという声が出ている。中国が北朝鮮ではなく韓国を経済的「打撃対象」に挙げているのだ。ところで中国は経済報復で韓国に一方的な打撃を抱かせることができるだろうか。韓国の立場で中国は輸出・輸入とも最も多い重要な貿易相手だ。韓国の輸出全体のうち中国は25.4%を占める。米国(5.6%)、香港(4.8%)、シンガポール(4.2%)が後に続き、1・3・4位が中華圏だ。ここまではよく知られている話だ。中国が足を引っ張れば韓国経済に打撃を与えることもできるだろう。