◆フォード、音声で電話・目的地入力

現代車は今後発表するスマートカー技術も発表した。今後出てくるスマートウォッチ用のブルーリンクには、運転手の健康状態、行動パターンを記録して情報を提供する車両用ライフログ（個人生活全般の記録を整理・保管するサービス）機能があり、走行中に危険な状況が発生すれば振動で運転手に知らせる機能もある。グーグルと協力して次世代テレマティクスサービスにグーグルマップのデータベースを活用する計画も立てた。

現代車だけでなく、ＢＭＷもサムスンスマートウォッチ「Ｇｅａｒ　Ｓ」で車を望む場所に移しておく無人自動駐車技術を公開した。「遠隔バレットパーキングアシスタント（Ｒｅｍｏｔｅ　Ｖａｌｅｔ　Ｐａｒｋｉｎｇ　Ａｓｓｉｓｔａｎｔ）」と呼ばれるこの技術は、運転手が建物の前に駐車して下車した後、スマートフォンやスマートウォッチで駐車命令を出せば、自動車が自ら駐車場まで移動して駐車するシステム。ＢＭＷは昨年もサムスン電子とともにギャラクシーＧｅａｒで電気自動車「ｉ３」のバッテリー現況、充電時間を遠隔操作する機能を試演した。独アウディもＣＥＳで「Ｇ　Ｗａｔｃｈ」を使って自動車を呼び出す無人車技術を発表した。アウディはさらに踏み込み、自動走行技術を備えたＡ７モデルを実際の道路に投入し、スタンフォード大学があるカリフォルニア州パロアルトからＣＥＳが開催されるラスベガスまで９００キロを運転手の操作なく走らせた。

米フォードもスマートカー分野では先駆的な位置にいる。フォードはＣＥＳで公開した音声作動技術「シンク３」を今年発売される車に搭載する。シンク３は運転手が名前をいえば自動で電話をかけ、音声で目的地を入力でき、運転手に届いた文字メッセージを音声に変えて読んだりもする。運転手がスマートフォンや車のディスプレーに目を向ける必要なく、運転に集中できるという長所がある。

独フォルクスワーゲンは、運転手が手ぶりで車内のオーディオ、ビデオなどを制御する「ジェスチャーコントロール」機能を一部の車に適用する予定だ。ジェスチャーコントロールは車の内部に装着されたセンサーが運転手の手の動きを認識し、機器を作動する。ＢＭＷのテレマティックスサービス「コネクテッドドライブ」は事故でエアバッグが出たり、運転手がＳＯＳボタンを押せば、自動でＢＭＷのコールセンターにつながる。コールセンターは相談員が運転手と通話する間、衛星利用測位システム（ＧＰＳ）で車の位置を確認し、必要な措置を速かに実施する。交通事故で運転手が気を失う可能性もあるため、コールセンターは電話を切るまで連結状態を維持する。


現代車のテレマティクスサービス…空想科学映画が現実に（３）