【時論】金正恩の独り立ち後
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.12.30 17:10
張成沢(チャン・ソンテク)処刑は事実上、予告されていたことだった。金正恩(キム・ジョンウン)は父から受け継いだ“与えられた”権力を早期に“勝ち取った”権力に切り替えなければならなかった。父が設定しておいた軍部後見者の李英鎬(リ・ヨンホ)総参謀長が昨年7月に解任されたのは、その前奏曲だった。今年4月の最高人民会議では、首相の崔永林(チェ・ヨンリム)を朴奉珠(パク・ボンジュ)に置き換えた。軍部と内閣を金正恩が抜てきした若いエリートで埋めるのは当然の手続きだった。労働党から父の影を消し、金正恩の党に変えるためには、当然、最大勢力の張成沢がターゲットにならざるをえなかった。結局、張成沢除去は3代世襲権力の「独り立ち」という政治的必要性に基づく最後の作業だった。
張成沢粛清は予告されていたが、速戦即決の公開逮捕と公開処刑の原因を説明するには不足する。追加の背景説明と決定的な契機がなければならない。張成沢の小王国はすでにエリートには牽制と嫉妬の対象だった。党行政部の権限乱用と過度な利権介入は、組織指導部だけでなく、国家安全保衛部・総政治局、さらに内閣にも目障りだったはずだ。機会を虎視耽々と狙っていたところに張成沢が金正恩の指示に抵抗したとすれば、これは唯一領導を拒否し、最高司令官の命令に従わない罪となり、すべての機関と組織が動いて反党反革命宗派行為と国家転覆陰謀に追い込んだとみられる。世襲権力の属性から始まった張成沢除去の必要条件が、エリート間の権力闘争と利権争いという事件的契機と重なり、劇的処刑の十分条件が整うことになったようだ。