【コラム】官僚制の失敗=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.07 13:46
2011年4月、農協のコンピューター・ネットワークがまるごと麻痺した。3000万人に及ぶ顧客が混乱に陥った。電算記録がないため、お金を引き出すことも融資を返済することもできなかった。カードも無用の物となった。金融当局はあわただしく動いた。タスクフォース(TF)を稼動して24時間の非常体制を整えた。理由を見つけ出して顧客被害を減らすよう農協に催促した。農協はバックアップセンターに残っている記録を急いで復活させた。何日か過ぎて窓口の取り引きから1つずつ再開された。当局はリアルタイムで国民に復旧状況を知らせた。ここまでは悪くなかった。10日ほど過ぎただだろうか。「全国の現金自動預け払い機(ATM)が全て正常化した」という発表が出てきた。
だが違っていた。灯台もと暗し、であった。金融委員会と金融監督院が共に入っていた汝矣島(ヨイド)の建物の地下1階に農協のATM機があった。売店と駐車場につながる角っこの、ちょっと足を伸ばせば届く場所だった。発表当日はもちろん翌日朝まで、この機械の画面には「点検中」という文字だけが出ていた。「完全復旧」を否定する証拠が当局の目の前にあった。