ＮＢＣが３０年以上もオリンピックに集中的に投資してきたのは、スポーツへの関心が高い米国でオリンピックというコンテンツが「金の卵を産むガチョウ」の役割をしてきたからだ。ＮＢＣ側によると、昨年のリオデジャネイロ五輪期間の広告売上高は１２億ドルを超えた。視聴率は２０１２年ロンドンオリンピックに比べ１８％落ちたが、広告主の投資はむしろ増えた。

特にＮＢＣはデジタルコンテンツ側の利用者拡大に注目した。リオデジャネイロ五輪中、デジタルコンテンツの利用者は４年前のロンドンオリンピック当時に比べ２８％増の約１億人となった。リアルタイムインターネット（モバイル）中継視聴も２７億件に達し、広告売上高の１０％がインターネット（モバイル）中継で生じた。マーク・ラジャルスＮＢＣスポーツグループ会長は「デジタルコンテンツの注目度が急激に高まり、我々も驚いた。家族が集まって大型テレビのスクリーンで視聴するよりも、さまざまな方式で視聴する方向へと変化が表れている」とし「デジタルコンテンツ関連の比率は将来の五輪ではさらに高まるだろう」と予想した。

悩みがないわけではない。中継権料が急騰し、収益は急減している。２０１０年バンクーバー五輪で２億２３００万ドルの赤字を出したＮＢＣは２０１４年ソチ五輪では１１億ドルの黒字を出した。ＮＢＣ側は「平昌オリンピックではソチ大会より多くの広告収益を期待している」と述べた。グローバルファンド評価会社「モーニングスター」は先月３１日、「一部の広告主は南北間の緊張問題を心配しているが、広告の販売には大きな影響を及ぼさないだろう」と予想した。

視聴者の不満もある。地上波チャンネルよりもケーブルや衛星チャンネルなど有料チャンネルを通じた中継が増え、視聴者は追加の費用を支払わなければいけない。また、さまざまな技法の広告が生じ、視聴中に絶えず広告が出てくることにも不満の声が多い。オリンピックに関心を持つ世代が青年層より中壮年層である点も悩みだ。昨年８月のオリンピック中継放送視聴に関する米ギャラップの調査では、回答者の５１％が「中継を見ない」と答えた。「見る」という回答（４８％）を上回ったのは調査が始まった２０００以後初めてだ。


平昌五輪２４００時間中継…ＮＢＣ、１兆ウォン投資の採算は？（１）