1982年の米国シカゴ。 誰かがカプセル型鎮痛剤に致死量の毒劇物を入れた。 これによって7人が死亡した。 製造過程のミスでないことは明らかだったが、会社代表がすぐに公開謝罪した。 すべての製品を回収したのはもちろん、生産も中断した。 数百万ドルを投じて設備を整え、カプセルの代わりに安全な錠剤の薬を作り始めた。
北米鎮痛剤市場の35%を占めるタイレノールの話だ。 毒劇物事件はタイレノールとこれを作ったジョンソン・エンド・ジョンソンの地位をむしろ高めた。 「ジョンソン・エンド・ジョンソンは責任を取って問題を解決する企業」という信頼も生まれた。 この事件は25年が過ぎた現在でも企業危機管理の模範答案として広く知られている。