16日午後2時、ソウル世宗路(セジョンノ)政府中央庁舎事務室で、大統領職引継ぎ委員会により政府組織改編案の発表をテレビで見守った統一部のある幹部は、たばこを取り出して口にくわえた。「はぁ…」っとため息を吐いて口をつぐんだ。統一部のある職員は「昨日の晩まで、うちの部は大丈夫だと思っていたのに…」としながら驚きと諦めの表情を隠すことができなかった。
引継ぎ委員会の電撃的な統一部廃止案発表は、新設される外交統一部に統一部の業務を移管し、外交統一部を対外・対北朝鮮政策を総括する「ワントップ」体制に作りかえるということだ。ここには「対北朝鮮政策も韓米の強調など対外政策の枠組みで決定されなければならない」という李明博(イ・ミョンバク)次期大統領の意向が反映されたものとみられる。実際に引継ぎ委員会は前日まで統一部の存廃をめぐって試行錯誤し、最終決定は李次期大統領が下したと伝えられている。