２３日、ソウル城東区（ソンドング）のあるショップにガールズグループＮｅｗＪｅａｎｓ（ニュージーンズ）のメンバー、ミンジが登場するとカメラのフラッシュが無数に瞬いた。予定された公式行事に現れたミンジがこの日特に熱い関心を集めたのは、韓国最大の芸能企画会社ＨＹＢＥ（ハイブ）と子会社ＡＤＯＲ（アドア）のミン・ヒジン代表の間の葛藤が水面上に浮上した後、初めての日程だったためだ。「固い顔」「暗い表情」などのコメントが相次いだ。

ＨＹＢＥとミン代表、両側の対立が激化してＮｅｗＪｅａｎｓの歩みにも視線が傾く。ＮｅｗＪｅａｎｓが今回の内紛でどのような立場を見せるかが今回の紛争の核心イシューの一つであるためだ。

◇カムバック控えたＮｅｗＪｅａｎｓに集まる視線

ＮｅｗＪｅａｎｓはカムバックを控えている。２７日に新曲『Ｂｕｂｂｌｅ　Ｇｕｍ』ミュージックビデオ（ＭＶ）を公開し、来月２４日にはニューシングル『Ｈｏｗ　Ｓｗｅｅｔ』をリリースする。６月には正式に日本デビューシングルを発売し、２６～２７日に日本歌手の間でも「夢の舞台」と呼ばれる東京ドームでファンミーティングを開催する予定だ。

ＡＤＯＲ側は内部紛争と別にＮｅｗＪｅａｎｓコンテンツを担当するなどカムバックの準備に集中しているという。これまでＮｅｗＪｅａｎｓ関連の企画はＡＤＯＲがしてきたので、親会社であるＨＹＢＥもＡＤＯＲを信じて任せる以外にない状況だ。大衆音楽評論家のイム・ヒユン氏は「ＮｅｗＪｅａｎｓのカムバックは日程と一部の曲が公開されるなど相当部分で準備が進んでいる。突然ＮｅｗＪｅａｎｓのカムバックが延期される場合、ＨＹＢＥの立場でも大きなダメージになるので支援しようとしている」としながらも「ただし、今回の葛藤が深刻化すればＡＤＯＲではなくＨＹＢＥ本社次元でカムバックを準備することになるかもしれない」と見た。

これまでＮｅｗＪｅａｎｓのメンバーはミン代表と強い連帯感を維持してきた。メンバーがミン代表を普段母親のように慕い、ミン代表も自身とＮｅｗＪｅａｎｓを同一視する発言をするなど強い愛着を見せていた。今回の事件でメンバーが心理的に萎縮するのではないか心配される理由だ。ミン代表がＮｅｗＪｅａｎｓのメンバーの保護者と接触したのもＡＤＯＲに対するＨＹＢＥの監査を触発した原因の一つに挙げられる。

ただし、メンバーが今回の事態でミン代表とともに行動することは容易ではなさそうだ。一歩間違えれば、昨年あったグループＦＩＦＴＹ　ＦＩＦＴＹ（フィフティーフィフティー）テンパリング（事前接触行為）のような紛争に広がる可能性があるためだ。メンバーがＡＤＯＲとの専属契約を解約して別の独立した場所からスタートする案もあるが、専属契約効力停止訴訟の正当性など障害物は依然と存在する。ＦＩＦＴＹ　ＦＩＦＴＹ元メンバーのように「裏切りドル」という烙印を押されるのは、ＮｅｗＪｅａｎｓメンバーとしては最も避けたい最悪のシナリオだ。

ＨＹＢＥの立場でもＡＤＯＲに一つしかないグループが抜けることはＡＤＯＲの全財産を失うことと同じなのでＮｅｗＪｅａｎｓを簡単に手放すこともできない。ＮｅｗＪｅａｎｓは昨年１１００億ウォン（約１２４億円）の売上をあげたＨＹＢＥの主要資産だ。

ファンの間ではＮｅｗＪｅａｎｓのイメージ毀損および今後の去就に対して心配する声が高い。ＮｅｗＪｅａｎｓの一部ファンは２４日、ＨＹＢＥ竜山（ヨンサン）社屋前でトラックデモを開いて「ミン・ヒジンはこれ以上ＮｅｗＪｅａｎｓと家族を利用するな」と警告するなど、ミン代表の暴露性発言に反発した。

大衆音楽コメンテーターのソジョン・ミンガプ氏は「ＨＹＢＥ、ミン・ヒジン代表はともに何の制止もなく、妥協ではなく吐き出すことに没頭しているようだ。懸念の声が両者に伝えられなければならない時点」と指摘した。「ＮｅｗＪｅａｎｓはＫ－ＰＯＰ産業で重要なアーティストであることに加え、メンバーが２０歳になっていない状況なので企画者や管理者として彼女たちを保護しようとする立場を取る側がむしろ世論の支持を得ることができるだろう」と話した。

２５日、ＨＹＢＥは今後ＮｅｗＪｅａｎｓメンバーに対する心理的・情緒的ケアと成功的なカムバックのために最善を尽くして支援すると強調した。また、メンバーの法定代理人と早く会ってメンバーを保護する方案を議論する計画だと伝えた。