ポルノスター「口止め料」裁判が始まった日、トランプ前米大統領が裁判中に居眠りをしたと、米ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）が１５日（現地時間）報じた。

トランプ氏は２０１６年１０月の大統領選挙を控え、ポルノ女優ストーミー・ダニエルズ氏との不倫関係を隠すために顧問弁護士マイケル・コーエン氏を通じて１３万ドルを渡し、会社の帳簿に虚偽記載するなど３４件の容疑を受けている。検察は昨年３月にトランプ氏を起訴したが、米国で元大統領が刑事起訴される最初の事例だった。

裁判中、トランプ氏は不満を表したり疲れた表情を見せたりし、しばらくうなだれる姿も何度か見られた。トッド・ブランチ弁護士が何回かメモを渡すと、そのたびにトランプ氏は驚くように目を覚ましてメモを読んだ。トランプ氏は弁護士とささやきながらメモを交換したりもした。女性の性器を握ったと自ら話したという部分が検察の起訴状で朗読された時は動くことなくただ聞いていた。

トランプ氏は裁判中、表情の変化が多かった。ぶつぶつと話したりせせら笑ったりし、特に息子の卒業式の日は裁判を避けてほしいという要請を判事が棄却すると顔をしかめたりもした。判事が裁判を妨害する場合、法廷から追放されたり投獄されたりすることもあると警告すると、トランプ氏は「分かった」という意思表示をした。自身がソーシャルメディアでマイケル・コーエン弁護士を嘲弄したコメントが朗読された際、一度笑う場面もみられた。

ＮＹＴによると、トランプ氏はこの日、裁判所に入る前、取材陣に「これは政治的迫害であり、過去にはなかった迫害」と主張した。続いて「これは米国を攻撃するものだ。それでここに立っていることを誇りに思う。これはわが国に対する攻撃であり、わが国は失敗している」と語った。

トランプ氏はこの事件の後、機密文書流出、大統領選挙転覆未遂などの容疑で３回にわたり追加で起訴され、計４件の刑事裁判を受けなければならない。４件のうち最初に裁判が始まったのが不倫口止め料関連事件だ。判事は予備陪審員団に今回の裁判が６週間進行すると説明した。陪審員団選定手続きが迅速に終わる場合、５月末に結論が出る可能性がある。裁判は水曜日を除いて毎日午前９時３０分から午後４時３０分まで進行される予定であり、トランプ氏もすべての裁判に出席しななければならない。

トランプ氏の刑事裁判日程が始まるこの日、ＳＮＳ「トゥルース・ソーシャル」の親会社の株価が急落した。この日、ニューヨーク証券市場でトゥルース・ソーシャルの親会社「トランプメディア＆テクノロジーグループ」（以下トランプメディア）の株価はこの日、前営業日比で１８．４％下落した２６．６１ドルで取引を終えた。トランプメディアはトランプ氏のイニシャルにちなんだ銘柄コード（ＤＪＴ）で先月２６日にニューヨーク証券市場に迂回上場した直後、株価が取引場で７９．０９ドルまで上がったが、上場３日目から下落している。トランプメディアがこの日、新規株式を発行すると公示したのが株価に悪影響を及ぼした。トランプメディアはこの日、新株引受権（ワラント）行使などで普通株を新規発行する予定と公示した。