フランスで約１４万人が路上に追い出される危機に直面したと、仏日刊リベラシオンが１日（現地時間）報じた。

報道によると、住居接近性のための省庁間代表団は今年およそ１４万人が公権力または退去圧力のため自発的に家を出る危機を迎えたと明らかにした。

今年は特にオリンピック（五輪）特需を狙って従来の賃借人を追い出し、短期賃貸やＡｉｒｂｎｂのような共有型宿泊施設に転換しようという家主も増えているため、状況はさらに良くない。

フランスでは１日から家主が家賃を出せない賃借人、騒音公害を起こした賃借人、住居規定を守らなかった賃借人に退去を要求できる。昨年１１月１日から始まった「冬季賃借人退去中止期限」が３月３１日に終了したからだ。

フランスでは賃借人の冬季の安定した生活を保障するため、特別な理由がなければ４カ月間ほど退去させることができない。このためフランスは毎年冬が終わって春になると賃借人の退去が始まる。疎外階層居住問題を支援するアベ・ピエール財団の研究責任者ドメルグ氏は「幼児や高齢者がいる脆弱家庭が結局、路上に追い出されたりする」と伝えた。

また、昨年すでに脆弱階層の強制退去事例が急激に増えたとし、今年は状況がさらに深刻化するかもしれないと懸念を表した。

昨年フランス政府が公開した資料によると、強制退去となった世帯は計２万１５００世帯で、２０２２年の１万７５００世帯に比べて２３％ほど増えた。

さらに昨年６月、無断居住者に対する処罰が強化され、家賃未納時には家主が退去手続きを簡素化できるよう法が改正され、脆弱層の賃借人は居場所が狭まった。

最近、フランス国家人権諮問委員会も脆弱層の住居危機を指摘した。委員会は「フランス国民の５人に１人は家賃・管理費納付問題や暖房の悩みなど住宅危機の影響を受けている」とし「これに対する政府の体系的かつ広範囲な対応が急がれる」と注文した。

フランスでは引っ越し先がない場合は退去させることができないという「Ｄａｌｏ」指針があるが、法に規定されず拘束力はない。このためＤａｌｏ関連団体は「政府は賃借人のための政策を出すというが、現実的にかなり不足している」と批判した。