９日（現地時間）に誕生したフランス最年少、初の同性愛者首相が「マクロンの後継者」として注目されている。フランスのガブリエル・アタル新首相（３４）は同日の就任演説で、「過去最年少大の統領が最年少首相を任命した」と意味づけた。エマニュエル・マクロン氏（４６）を政治的メンターに挙げて「マクロンボーイ」と呼ばれてきたアタル氏は、今回の人選を機に与党の有力大統領選候補に位置づけられたという評価だ。

アタル首相は現在、フランスで最も人気のある政治家だ。先月のイプソスの世論調査で、アタル氏の支持率は４０％で１位を占め、前回の大統領選挙で注目された国民連合党を率いるマリーヌ・ル・ペン代表より３ポイントリードした。

アタル首相は中道・左派政治家に分類されるが、右派陣営でも好感を得ている。昨年７月、教育相に就任した後、イスラム圏の女性伝統衣装である「アバヤ」の校内着用を禁止し、基礎学力の増進を推進する教育改革に踏み切った。これを通じて左派と右派の両方から支持を得た。ニコラ・サルコジ元大統領がアタル氏に２０２７年の大統領選出馬を勧めたとラ・トリビューン紙が報じた。

アタル首相は１６歳で社会党に入党し、名門パリ政治学院（シアンス＝ポ）を卒業した。２０１６年、マクロン氏の大統領選挙を支援するために前進する共和国（現ルネッサンス）に合流した後、翌年下院議員に当選した。２０２０年、コロナ禍で政府報道官を務め、華やかな話術で大衆的な人気を得た。もし彼が２０２７年に３７歳で大統領に当選する場合、「フランス歴代最年少大統領」になる。マクロン大統領は３９歳で大統領になった。

アタルには首相職が厳しい試験台になるだろうという観測も出ている。マクロン大統領は今回の人選で局面転換を狙っているが、年金改革と移民法など政権の核心政策推進の過程で様々な難関にぶつかり国政動力が落ちた状況であるためだ。７月パリで開かれる夏季オリンピック（五輪）とパラリンピックを安全に行わなければならない課題も抱えている。