【中央時評】地政学リスクと韓国経済
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.04.27 12:01
20世紀末にはだれもこんな21世紀がくるとは想像できなかっただろう。民主主義と市場経済が最終勝利を収めたという「歴史の終焉」とは反対に、21世紀初めはどこから突風が吹いてくるかもわからない「激動の時代」になった。大きな事件が頻発し地政学と経済が連結されて構図を揺るがしている。ソウル大学国家未来戦略院が最近まとめた報告書『韓国が直面する地政経リスク』はこのように指摘する。「どの方向に展開するのかわからない懸案が急激に動き韓半島(朝鮮半島)情勢に影響を及ぼす」。韓国の運命はこの複合危機をどのように乗り越えるかにかかっている。
こうした状況でもまだ私たちは地政学と経済をつなげて理解するのが下手だ。国際関係と安保専門家は地政学的事件が経済に及ぼす影響をしっかりと読み取ることができない。経済官庁や研究所は「他のすべての条件は同一だ(セテリス・パリブス)」という前提で経済を予測する。地政学リスクが大きくなってもずっと「セテリス・パリブス」だ。さらに韓国の政治は分裂的であり政府組織は分離的だ。ささいな事件を政争に仕立て上げるのに機敏な政界はリスクの事前診断と備えをむしろ妨げる。地政学的衝撃が経済に波及し、ここに金融混乱まで加われば「パーフェクトストーム」になりかねないのに私たちはのんびりしている。