【社説】ポン・ジュノのパルムドール…「文化強国」広める機会になることを=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.05.27 10:59
ポン・ジュノ監督の映画『寄生虫(英題・パラサイト/Parasite)』(以下、『寄生虫』)が第72回カンヌ映画祭でパルムドール(Palme d’Or、最高賞)を受賞した。韓国映画史上初の快挙だ。ヴェネツィア、ベルリンなど世界3大映画祭の中でも最高映画祭に挙げられるカンヌだ。2000年イム・グォンテク監督の『春香伝』がカンヌ映画祭長編コンペティション部門に招待されてから19年ぶりのことだ。今年が韓国映画誕生100年になる年ということで一層意味が大きい。ポン・ジュノ監督も公式記者会見で「韓国映画誕生100年に最初のパルムドールが出た。カンヌ映画祭が韓国映画に大きな贈り物をくれた」と話した。また「日本の黒沢明、中国のチャン・イーモウのようなアジアの巨匠を凌駕する多くの韓国のマスターが存在するということを広く知ってほしい」と付け加えた。
ポン監督は2000年代韓国映画ルネサンスの主役だ。華城(ファソン)連続殺人事件をモチーフにした出世作『殺人の追憶』(2003)から1000万映画『グエムル-漢江の怪物-』(2006)などに至るまで、現実批判的な主題意識を大衆的な手法で映画に落とし込み、市場と評壇を魅了してきた。珍しく芸術性と大衆性を同時に備えた監督だと評価されている。『スノーピアサー』(2013)でハリウッドに進出し、『オクジャ/okja』(2017)で韓国監督として初めてNetflix(ネットフリックス)と提携するなど、メディアの環境変化にも素早い適応力を見せてきた。社会批判的な意識が強いが、映画を社会変革の道具としてみることを拒む。『寄生虫』は2つの家族を通じて貧富の格差という社会問題を風刺したブラックコメディだ。同時代的の普遍性があるストーリーだと好評受けた。