【コラム】文政府の遺伝子には産業があるのだろうか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.12.21 15:58
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は水素車にこだわっている。今年2月、警護チームが引き止めたにもかかわらず、現代車「ネクソ(NEXO)」を基盤とした自動運転車に乗って京釜(キョンブ)高速道路を走った。10月のフランス訪問時は宿泊先からパリ市内までネクソを利用した後、充電する様子まで見守った。国内外行事で水素基盤経済活性化に言及した回数は6度にのぼる。大統領の関心を反映するように、数日前の産業部業務報告は水素車普及拡大が主要な内容だった。2022年までに水素車6万5000台を普及し、充電所310カ所を設置することを目標に掲げた。
水素車生態系樹立は簡単ではない課題だ。コストがかなりかかる。現在、ネクソの発売価格は7000万ウォン(約694万円)台だが、購入者負担は4000万ウォンには届かない。中央政府と地方自治体から最大3500万ウォンの補助金が支給されるからだ。水素車を6万5000台普及させるために2兆ウォン以上の補助金が必要だということだ。これはすべて税金だ。充電所一つ立てるには30億ウォンほどかかる。民間が参入するには手に余る。そのため最大15億ウォンの設置費が支援される。310カ所の設置に税金が5000億ウォン近くかかるということだ。充電所の運営も問題だ。水素車6万5000台が週に1回充電するとしよう。各充電所に一日平均約30台がやってくると計算することができる。充電所の収支を合わせるには少なくとも100台は来なければならないというのが業界関係者の話だ。年間数百億ウォンの補助金が必要になるほかない。このような計算を総合してみると、最小限の水素生態系を整備するのに3兆ウォン近い税金がかかる。