揺れる韓国版ノーベル賞プロジェクト(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.11.26 13:37
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韓国政府が国際的に公言していた内容とは違い、基礎科学研究院(IBS)の研究費が削減されて問題になっている。写真はIBS重イオン加速器の建設現場。(写真提供=IBS)
韓国版ノーベル賞プロジェクトが揺れている。基礎科学研究院(IBS)のことだ。IBSは「ノーベル賞に近い」とされている国内外の科学者28人を招へいして分野別研究団長に任命した。韓国政府が「長期・自主研究と研究費支援」を約束しながらだ。基礎科学に十分に投資をし、長期的な革新を起こそうというのが目標だった。一部の外国人科学者は契約を結ぶとき、研究費を支援するという約束まで契約書に含めた。しかし来年度の予算を策定するにあたり突然雰囲気が変わった。研究費を削り、研究の自主性も締めつけ始めた。研究団は不安のため騒々しくなっている。ついに複数の外国人研究団長が共同名義で抗議の書簡を青瓦台(チョンワデ、大統領府)と科学技術情報通信部に送ったことが確認された。
IBSは李明博(イ・ミョンバク)政権時に推進された。モットーは「世の中を変える巨大な基礎科学研究」だ。ここから出てくる創造的知識を基盤に、グローバル革新を先導するという意味だ。従来のように政府が一つ一つ関与する短期課題中心の研究では「破壊的革新」を成し遂げられないという自覚から出発した。また「長期間の自主研究」を前面に掲げた。そうしてこそ創意的な研究が可能だという考えだった。モデルはノーベル賞受賞者33人を輩出したドイツのマックス・プランク研究所だ。