【噴水台】訃告誤報は遺憾だ=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.11.05 15:43
よく知られた話だ。ノーベル賞創立者のアルフレッド・ノーベル(1833~1896)が莫大な財産でノーベル財団を設立しようと思ったきっかけが、新聞に間違って載せられた自身の訃告記事(obituary)を目にしたというものだ。ノーベルは鉱山用ダイナマイトをはじめ355件の発明特許を保有して富を積んだ。1888年、兄のリュドビックが亡くなったが、フランスのある新聞が誤認し「死の商人が死亡した」というタイトルで「アルフレッドはより多くの人を一瞬で殺す方法を見つけて富を築いた」と書いた。その記事に傷ついたノーベルは、人類のために大きな業績を残した者のための賞を制定しようと決意したという。
訃告誤報。メディアが有名人の死亡に備えてあらかじめ作成しておいた記事をミスで載せてしまい、それによって起きる事件が少なくない。インターネットの発達で誤報が広がる速度と波及力は大きい。2008年8月ブルームバーグ通信は、闘病中だったアップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)の死亡記事を出して30秒後に削除した。実際の死の3年前のことだ。ジョブズの業績を記した記事に対し、ジョブズは「私の死が誇張されすぎている」とし、マーク・トウェインの話を引用した。米国の文豪マーク・トウェイン(1835~1910)も誤報の被害者だ、1897年、ニューヨークヘラルドがその死亡を伝えながら「優れた知性がただ金のせいで壊れた」と評価すると「私の死に対する記事は誇張されすぎている(greatly exaggerated)」と言って嘲笑した。