欧州で孫興民（ソン・フンミン、２６、トッテナム）の株価が高騰している。ドイツプロサッカーの名門バイエルン・ミュンヘンが孫興民に視線を向けているという報道があった。

独バイエルン・ストライクスは１７日、「ミュンヘンが孫興民に対する関心を見せている」と報じた。１２日にはイタリアのカルチョメルカートが「孫興民がミュンヘンの視野に入った」と伝えた。

孫興民は最近、ジャカルタ・パレンバン・アジア競技大会で金メダルを獲得したことで兵役免除を受け、ビッグクラブの関心を受けている。６月にはイングランドのマンチェスター・ユナイテッド、リバプール、アーセナルが孫興民に関心を向けているという現地の報道があった。

ミュンヘンは最近ブンデスリーガ６連覇、最多優勝２８回を誇る名門クラブだ。欧州チャンピオンリーグでも５回優勝している。

ミュンヘンは今季、アリエン・ロッベン（３４）、フランク・リベリー（３５）、セルジュ・ナブリ（２３）、キングスレー・コーマン（２２）の４人のウインガーでスタートした。しかし恐るべきスピードで「ロベリー」と呼ばれたロッベンとリベリーは３０代半ばに入り、コーマンは足首の手術でシーズンを終えることになると、新しいＦＷに視線を向け始めた。

バイエルン・ストライクスは「ミュンヘンは来年夏の移籍市場で大型トレードを予告したが、孫興民が候補の一人に浮上した」とし「孫興民は兵役が免除され、今後サッカーに専念できる。孫興民はスピードがあるうえ、複数のポジションをこなせる。両足で蹴ることができ、シュート力もある」と説明した。

ミュンヘンが孫興民に関心を見せる理由はドイツサッカーをよく知っているからだ。孫興民は２０１０年から２０１５年までドイツのハンブルクとレバークーゼンに所属し、ブンデスリーガで４９得点（１６５試合）した。さらにミュンヘンの首席スカウトは孫興民をハンブルクからレバークーゼンに移籍させた人物だ。

ミュンヘンは収益性が高いアジアサッカー市場で影響力を拡大するために孫興民に注目している。特に孫興民は中国でも人気がある。ある中国ファンは１５日、プレミアリーグのトッテナム－リバプール戦が行われたウェンブリースタジアムのＡボードに中国語で「孫興民、プレミアリーグ通行証の取得おめでとう」という文字を掲載した。通行証とは兵役免除を意味する。

しかし孫興民のミュンヘン行きには障害物が多い。何よりも孫興民は今年７月にトッテナムと２０２３年まで契約を更新したばかりだ。国際スポーツ研究センターは最近、孫興民の予想移籍料を１億２３０万ユーロ（約１３３億円）と評価した。トランスファーマルクトは孫興民の価値を６００億－７００億ウォン（約６０億－７０億円）としている。

しかしミュンヘンの歴代最高移籍料は昨年コレンティン・トリッソを獲得して支払った４１５０万ユーロ（約５２億円）だ。孫興民を獲得するためにはミュンヘン史上最高移籍料の２倍以上を支払わなければいけない。しかもトッテナムのダニエル・レヴィ会長は優れた選手ビジネスのため欧州で噂になる人物だ。

英ザ・サンは１７日、「バイエルン・ミュンヘンは金メダルを獲得して帰ってきた孫興民を望んでいるが、トッテナムは孫興民を譲ることを考えていない。孫興民はポチェッティーノ監督の核心選手」と報じた。