「歴代最大被害」が予告された台風１９号「ＳＯＵＬＩＫ」が忠清道（チュンチョンド）内陸を通過している。３日午前６時のデータを基準とした７時の発表によると、台風１９号は最大風速２２メートルの小型台風へと弱まり、忠清北道沃川（チュンチョンブクド・オクチョン）付近を通過している。

２３日午後１１時ごろ、全羅南道木浦（チョルラナムド・モクポ）に上陸した台風１９号が夜の間に全羅南道内陸を横切りながら同地域に被害が集中した。２３日、光州（クァンジュ）・全羅南道地域では強風で電線が切れたり倒れた街路樹に電線がひっかかったりして６２７２世帯で停電となったほか、風で街路樹が倒れる被害も続出した。全羅南道高興（コフン）では強風によってマンションの塀の一部が崩れて高校生１人が骨折した。全羅南道潭陽郡（タミャングン）では対向を走っていた２台の貨物車が正面衝突して運転していた２人が死亡する事故も発生した。警察は２台のうち１台が風にあおられたことからスリップして事故が起きたものとみている。集中豪雨によって夜間に国道の一部が通行止めになったところもある（現在は復旧）。全羅南道珍島（チンド）では強風のためバス停留場が横倒しになった。風によって立看板が落下したりガラスが割れたりするなどの被害も相次ぎ、農作物被害はまだ集計さえできていない状態だ。

◆「２００３年台風１４号、２００２年１５号よりも強い」大げさに騒いだおかげ？　人命被害３人、罹災者４１人

だが、懸念していたよりは人命被害は少ない。午前６時基準で中央災害安全対策本部が公式集計した人命被害は行方不明１人、負傷２人だ。全羅南道と京畿（キョンギ）、江原（カンウォン）では強風で建物が揺れて１６世帯４１人が地域の公民館などに避難した。夜間の故の内訳が追加で集計されれば被害が増えかもしれないが、台風１９号発生初期に「２００３年台風１４号や２００２年１５号よりも強い」「ゆっくりとした勢力の強い台風」としながら、莫大な被害をもたらされると予想していたことに比べれ、幸いなことに少ない数にとどまっている。

これについて、今回の台風の初期予想進路が済州（チェジュ）～ソウルで、南端から北端までどの地域も安心できなかったため万全の備えをした効果だという分析だ。中央災害安全対策本部は台風発生初期から「非常１段階」勤務に入り、台風が済州海上を通過して全羅南道に接近した２３日午後１２時から「非常２段階」に引き上げ、危機警報も「深刻段階」に引き上げて体制を整えた。文在寅（ムン・ジェイン）大統領まで出て「総力対応」を注文した。２３日、光州・全羅南道の全地域に「台風警報」が発令されながら各地域の地方自治体も非常勤務に突入した。無等山（ムドゥンサン）・智異山（チリサン）など全国２１カ所の国立公園の入山も統制し、土砂崩れの危機警報も「関心」から「注意」に引き上げた。洛東江（ナクトンガン）、錦江（クムガン）など全国１６カ所の堤防のうち１３カ所の水門をあらかじめ開放して水位の調節をしたおかげで、１時間当り最高４００ミリ（智異山）の大雨にも氾濫による被害はなかった。

◆「弱い小型台風」になった台風１９号…ソウル・京畿は日常取り戻す

２４日午前８時現在も全羅南道地域には多くの雨が降っているが、台風の西側半円（安全半円）に入る大田（テジョン）・世宗（セジョン）、ソウル首都圏は雲が多く雨は降っているものの強風はほとんどない。通行止めになっていた西海大橋（ソヘデギョ）も規制が解除となり、仁川（インチョン）・金浦（キンポ）空港も今日から正常運航を始めると明らかにした。初期の台風進路に含まれた束草（ソクチョ）も曇の間から雨がぱらついているが強風の影響は少なく、今日、金剛山（クムガンサン）に出発する第２次離散家族対面対象者の移動も予定通り行われる予定だ。台風１９号は２４日午後１２時ごろ、江陵（カンヌン）東側海上に抜けるものとみられる。