【社説】韓米FTA交渉は収拾したとしてもこれからがさらに問題だ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.03.27 15:35
ドナルド・トランプ米大統領の強力な保護貿易政策で浮上した韓米両国の通商対立が取りあえず収拾された雰囲気だ。米国の鉄鋼関税問題と韓米自由貿易協定(FTA)改正を結び付けた両国交渉が先週末、事実上妥結した。韓国の敏感な部門である農業の追加開放はなく、既存のFTA譲歩案は維持された。韓国産鉄鋼に対する25%の関税が免除される代わりに、今年の対米鉄鋼輸出物量はクォーターを適用して昨年の74%水準に減らした。米国の最も大きな不満だった自動車部門で韓国が譲歩した。韓国の安全基準を満たしていない米国製自動車に対する輸入クォーターを2倍増やし、韓国製ピックアップトラックに対する米国の関税賦課時期も20年遅らせた。
韓国が得たのは対米輸出をめぐる不確実性を早期に払拭させたという点だ。当初1年以上かかると見られたFTA交渉が3カ月で大筋合意につながったためだ。産業部のキム・ヒョンジョン通商交渉本部長は「引け目を感じることがない交渉だった」と主張した。だが、直接的に自慢することではない。現政権が野党時代に批判した2010年再交渉の協定文より韓国がはるかに不利になったのは否めない事実だ。鉄鋼クォーターで米国市場依存度が高い鋼管類業界は直ちに被害が予想され、生産・輸出の減少で手に負えない国内自動車業界にも中長期的に負担になるだろう。