【時視各角】憤怒政治、使い回し外交、そしてオリンピック
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.24 10:48
#1.スタイルも考えも異なる2人から同じ言葉を聞くとは思っていなかった。「怒り」。トランプ米大統領は昨年8月、「今まで見たことがない炎と怒りに直面することになるだろう」と述べた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も5カ月後に「怒り」を口にした。「政治報復を云々したことに怒りを隠せない」。同じ怒りだが、相手と理由は違った。トランプ大統領は全世界を人質にする北朝鮮に向けた。表現は過激だった。しかし国家と国民、国際社会を代弁する「共有された」怒りだった。当時、フランス政府の報道官は「語彙についてはコメントしない。ただ、十分に可能な発言だ」と述べた。個人や私感が介入していない怒りであったため、あり得る反応だった。
文在寅大統領の怒りはどうか。青瓦台(チョンワデ、大統領府)は「李明博(イ・ミョンバク)元大統領が盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の死に言及して政治報復を云々したことに対する怒り」と述べた。盧武鉉元大統領という個人、李明博元大統領に対する私感が生み出した怒りだ。このため呼応を得ることができない。文大統領は「怒りを禁じ得ない」と述べた。英国の歴史家トーマス・フラーは「胸の中が燃えれば口から火花が飛び出す」と言った。国民は心配を禁じ得ない。