【時論】北朝鮮の核解決策に関する不都合な真実(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.09.04 13:27
文在寅(ムン・ジェイン)大統領はレッドラインを規定し、金正恩(キム・ジョンウン)はこれ見よがしに水素弾を主張して6回目の核実験を強行した。急進展する北朝鮮の技術力と激しい金正恩の核疾走を考慮すればレッドラインは時間の問題であるだけで、差し迫った現実になっている。北朝鮮がレッドラインを超える場合、韓国の対応はこれまでとは明確に違ったものにならなければならない。断固とした軍事的対応を辞さなかったり、そうでなければみじめにレッドラインを再び後退させるほかはない。レッドラインという真実に直面する瞬間、文大統領の選択は進退両難になるだろう。当面これといった北朝鮮の核解決策がない無気力な現実のせいだ。北朝鮮の核を除去する方法は現実的に3種類がある。しかしいまは適切な解決策にならないという「不都合な真実」に韓国は向き合っている。
最初に、強制的に核兵器を奪取する方法だ。軍事的方法で金正恩の核物質と核施設、核爆弾と核ミサイルを一挙に除去することだ。大量破壊兵器除去という名分で米国がイラクに侵攻した方式だ。しかし韓半島(朝鮮半島)の現実はイラクと根本的に違う。軍事的手段で強制奪取に出るには少なくとも3種類の確実性が担保されなければならない。すなわち、攻撃目標の位置を正確に把握し、攻撃に対する北朝鮮の軍事的報復がないという確信があり、中国がどのような場合でも介入しないという確証がなければならない。3つのうちひとつでもたった1%の不確実性が存在した場合、韓半島で軍事的オプションは決心できない。韓半島で全面戦争を覚悟するのはまだ無理だ。1994年に北朝鮮・寧辺(ヨンビョン)への爆撃を土壇場で撤回した理由だ。北朝鮮の核解決策として軍事的オプションは依然として非現実的なのが事実だ。しかし代案がないならば軍事的オプションを避けてもならない。