米国時間で２９日午後６時。ドナルド・トランプ米国大統領とメラニア夫人がホワイトハウスの南側玄関に出てきて文在寅（ムン・ジェイン）大統領夫妻が乗った車両を待っていた。文大統領が黒の専用車両から降りると、トランプ大統領はにこやかに笑って先に握手を求めた。２人はともに青のネクタイを締めていた。

懸念されたトランプ式「握手外交」は微妙な攻防をやりとりして終わった。トランプ大統領は握手をしながら文大統領の肩に手をかけた。一方の文大統領もすかさず左手をトランプ大統領の上腕に添えてこれに応酬した。初対面での握手が終わった後、文大統領は取材陣に向かって２回手をあげて挨拶をする余裕を見せた。

安倍晋三首相との初対面で１９秒間という強い握力の握手で機先を制したトランプ大統領は、文大統領の即刻的な反応に４秒間という短い「握手神経戦」だけを行った。トランプ大統領はホワイトハウス本館内の国賓晩さん会場（Ｓｔａｔｅ　Ｄｉｎｉｎｇ　Ｒｏｏｍ）でのスタンディングレセプションに続き、椅子に並べて座った晩さんでも再び手を差し出した。トランプ大統領は今度は手を強く握ったが、文大統領はむしろ明るく笑って握手対決は終わった。３回にわたったトランプ大統領の「握手挑発」に対し、青瓦台（チョンワデ、大統領府）高位関係者は「リラックスした雰囲気だった」とコメントした。

この日の晩さんのメイン料理はビビンパだった。カロライナ産の黄金米が使われたが、文大統領夫妻を配慮したメニュー選択だった。特に「和合」という象徴性が考慮されたという。

トランプ大統領は冒頭発言で「北朝鮮、貿易およびその他の複雑な問題について議論する。（晩さんが）夕方遅くまで続くかもしれない」と話した。文大統領には「多くの人々は予想できなかったが、私は（文大統領の勝利を）予想していた。あなたがなると思っていた」とし「とても盛大なお祝いをして差し上げたい」と述べた。文大統領は「私も大統領選挙の時、フェイクニュースのせいで苦労した」という話をした。この日、トランプ大統領がＭＳＮＢＣのアナウンサーに向かって「精神病者（Ｐｓｙｃｈｏ）」という表現を使って「低視聴率の『モーニング・ジョー』が、私の悪口を言っていると聞いた（もう見ていないが）。どうしてそんなにＩＱが低いのか」という内容のツイートを残したことに対する話だった。トランプ大統領はこれについて首を縦に振りながら共感を表わした。

両首脳間の初めての顔合わせはトランプ大統領が予想した通り、予定時間を超過した。午後６時から７時３０分までに予定されていた晩さんが７時５２分ごろに終わった。１階まで文大統領夫妻を見送ったトランプ大統領は、突然、「当選前は知らなかったが、ホワイトハウス３階に私の私的な空間がある。外部の人にはあまり公開しない場所だ」としながら文大統領夫妻を再び３階に案内した。３階にはリンカーンなど米国の歴代大統領の実際の執務室などがある場所だ。３階での２回目の歓談で、この日の顔合わせは予定時間を３５分も超過した。


青瓦台は「対話内容明らかにできない」というが…トランプ氏「新たな貿易交渉を協議」（２）