【コラム】韓国のTHAAD問題は政府の決定障害と疎通の不在がもたらした惨事(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.06.29 10:04
米陸軍教本に「許可を受けない者の出入り制限区域」と表示されているTHAADのレーダー半径3.6キロメートル以内に居住している住民だけが星州郡と金泉市に約2000人に達している。星州ゴルフ場から直線距離で前方8キロメートルに位置した金泉市には2万5000人が住んでいる。公企業13社が移転してちょうど定着していたところ、近隣にTHAAD砲台が配備されて落ち着かない雰囲気だ。金泉市の上に電磁波が通るうえに、有事の際に最初に標的になるかもしれないという不安感のためだ。北朝鮮の無人機がこの地域一帯を撮影して行ったことが明らかになり、心配はより大きくなっている。
THAADは敵が発射した弾道ミサイルが上昇を止めて下降を始める終末段階の高い高度から迎撃するシステムだ。拠点防御用であるパトリオット系列の低高度迎撃ミサイルだけでは限界があるため、それより高い高度で広い地域をカバーできるTHAADが必要だと韓米軍当局は説明している。すなわち、大気圏内外の40~150キロメートルの高度からTHAADで1次迎撃を試み、失敗時に15~40キロメートルの高度からPAC-2、PAC3のようなパトリオットミサイルでもう一度迎撃するということだ。小さい傘の上に大きい傘を重ねることで防御能力を高め、防御範囲も拡大する「多層防御」の概念だ。