【時論】文在寅政府とトランプの経済民族主義(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.17 14:41
今回新しく発足した文在寅(ムン・ジェイン)政府はドナルド・トランプ米大統領の攻勢的な「米国第一主義」政策に対抗する準備をしなければならない。トランプ大統領は先月4月29日で就任100日を迎えた。これまで彼は前例のない一連の措置で、米国内や世界各国から非難を招いた。トランプ政府は新たなアプローチ法を通じて、貿易のような個別イシューで各パートナーに対する影響力を最大化しようと目論んでいる。措置が国際的な安定や複合的な地政学的イシューにどのような全体的な影響を及ぼすかについての理解は不足しているように思われる。だが、最近の米中首脳会談の事例のように、作用点(leverage points)を把握して適切な戦略を駆使すれば、機敏な交渉力と意志で共生への道を探ることができる。
文在寅大統領にとって最優先課題の一つは、韓米両国に利益をもたらしてきた長年の貿易関係を維持・発展させることだ。トランプ政府は「米国第一主義」に基づく貿易政策を主に主張し、従来の自由貿易協定に対する正当性を問題視する一連の貿易関連の行政命令で論争を呼んできた。トランプはあまり知られていない冷戦時代の国家保安法を根拠に、鉄鋼とアルミニウムの輸入に対する「迅速調査」を命じた。韓国政府の行き過ぎた干渉が市場をわい曲していると主張し、韓国産鉄鋼パイプの輸入に議論のある条項を初めて適用してアンチダンピング関税を課した。また、韓米自由貿易協定(FTA)や北米自由貿易協定(NAFTA)を含めた貿易協定を廃棄あるいは再交渉すると公言している。韓国がこのような措置に対応するには、事案別に理非曲直を正す説得力のある交渉論理を開発し、米国に戦略的かつ包括的な手法でアプローチしていかなくてはならない。