５９２億ウォン（約５９億円）台の収賄および賄賂要求の容疑で起訴された朴槿恵（パク・クネ）前大統領（６５）がきょう午前に開かれる初めての裁判準備手続きに出席しないことになった。

朴前大統領の弁護人は「被告人が出席しなければならない義務はないため、警護などの問題を考慮して出席しないことにした」と述べた。

ソウル中央地裁刑事合意２２部（部長キム・セユン）はこの日午前１０時から、朴前大統領と崔順実（チェ・スンシル）被告（６１）、辛東彬（シン・ドンビン）ロッテグループ会長（６２）の公判準備裁判を進める。崔被告および辛会長も法廷に姿を見せない可能性が高い。

朴前大統領はミル・Ｋスポーツ財団に大企業が７７４億ウォンの後援支援金を出すよう強要した容疑をはじめ、計１８件の容疑で裁かれることになった。この中にはロッテグループから免税店特許事業者選定関連の請託を受けてＫスポーツ財団に追加出資金７０億ウォンを出させた容疑も含まれている。

今後の裁判では、崔被告との共謀や大企業の資金拠出過程で対価性や不正請託がなかったかどうか等が主要争点になる見通しだ。特に、収賄容疑に関連した多くの公訴事実が崔被告との共謀によるものだと控訴状で指摘されているだけに、崔被告との関係が裁判のカギを握るものとみられる。

これまで崔被告は「朴前大統領は私心のある人でない」とし弁護する立場を取っているが、朴前大統領の立場では容疑が明白な崔被告を擁護することは負担になるおそれがあるからだ。

検察では朴前大統領を取り調べて起訴した特別捜査本部が中心となって控訴維持を引き受ける。この日の裁判にも、ハン・ウンジェ・ソウル中央地検刑事第８部長（４７）とイ・ウォンソク捜査第１部長（４８）が出る予定だ。ただし、朴英洙（パク・ヨンス）特別検察官が朴前大統領と共謀関係にあるとして崔被告を起訴したことから、今後の裁判に協力していく方針だ。

一方、朴前大統領は最近、柳栄夏（ユ・ヨンハ、５５）、チェ・ミョンソン弁護士（３９）の他に、ソウル中央地裁部長判事を務めたイ・サンチョル（５９）弁護士とイ・ドンチャン（３６）、ナム・ホジョン（３３）弁護士を追加で選任して新たな攻防戦に備えている。