【中央時評】朴槿恵氏だけが知らない朴槿恵氏の運命(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.29 11:33
韓国ドラマ『砂時計』の検事役のモデルだった洪準杓(ホン・ジュンピョ)慶尚南道(キョンサンナムド)知事は、検察をよく知っている。彼が「今検察はただ一人の顔色をうかがっている」とし、「その人が〔朴槿恵(パク・クネ)氏〕の拘束を求めれば拘束するだろう」とした。メディアはこの発言を聞いて「その人」と書いて「文在寅(ムン・ジェイン)」と読んだ。検察が次期権力1順位の顔色をうかがっているということだ。朴槿恵前大統領は検察捜査の際、7時間もこまめに調書を直したという。拘束は恐ろしいようだ。過去一年を振り返ってみれば、朴槿恵氏は自身が聞きたいことだけに耳を傾け、「確証偏向」に陥っていたようだ。弾劾の時も憲法裁判所が棄却させるだろうという間違った報告にだまされた。今回も周りから「不拘束」「令状棄却」とささやかれている雰囲気だという。冷静に考えれば、“希望拷問”に他ならない。
まず、文在寅氏本人は「大統領候補として朴槿恵氏の拘束の可否を言及するのは不適切」として一線を画した。戦略的曖昧性を貫く立場だ。だが、彼の本音を読むためにはソウル大学の曺国(チョ・グク)教授のことを考える必要がある。文在寅氏周辺の秋美愛(チュ・ミエ)氏、ヤン・ジョンチョル氏、宋永吉(ソン・ヨンギル)氏、文盛瑾(ムン・ソングン)氏などが小技に長けているなら、曺国教授は進歩の再執権に向けて大きな絵を描く方だ。『進歩執権プラン』を打ち出した2012年大統領選で文在寅氏を公開的に支持し、文在寅氏もその後曺国教授が設計した道に沿って歩んできた。