【取材日記】「金持ち祖父」いなくても幸せな社会に=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.02 17:30
「金曜日早期退勤」で内需を掘り起こすという政府発表に「お金を使う時間が足りないわけではなく、使うお金がない」というコメントが書き込まれた。韓国貿易協会によると、韓国人は年間2113時間を働いている。法廷労働8時間で分けると264日、つまり1年の70%を働いているわけだ。ところで「使うお金」は足りない。統計庁がまとめた昨年家計実質所得は2009年以降初めて減少に転じた。家計所得のほとんどを占める勤労所得が上がらないためだ。消費につながらないのは当然だ。
政府や専門家が指摘する所得停滞の代表的な原因は「低成長」だ。しかし、低成長のせいにするには、良質の雇用不足、すなわち安定した所得が保障されないために発生する問題が深刻だ。結婚市場では「祖父の財産」の多い人が最高の配偶者候補という話も聞こえている。高齢化によって父親の財産は受け継ぐのに時間がかかるためという。本人の勤労所得では「自力更生」の希望が持てないため、結婚・出産を敬遠して異常な自己卑下や自己放棄、社会に対する怒りが深まっている。