【社説】予断を許さない北朝鮮の残虐性に徹底した警戒を
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.02.16 11:38
衝撃と恐怖、そのものだ。北朝鮮政権の好戦性は十分に分かっているが、今回の金正男(キム・ジョンナム)氏を暗殺したように、外国でそれも人々が混雑している空港で、夜中でもなく昼間にテロを行う金正恩(キム・ジョンウン)体制の残虐性に対し、われわれは大きく驚き深い懸念を示さざるを得ない。事件の真相はマレーシア警察の捜査を見守る必要があるが、今までの状況から見て北朝鮮の仕業である可能性が低くない。なぜ、この時点に金正男氏を除去したのかに関しては様々な見方が出ている。金正男氏の韓国亡命の可能性を遮断するためか、金正恩委員長の目にとまるための北朝鮮偵察総局による過剰忠誠のせいかという分析などが多い。
しかし、より重要な理由は、金正男氏が金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男という身分が持つ存在感そのものが金正恩委員長にとっては核よりも恐ろしい対象だったということだ。北朝鮮政権は首領唯一体制という特殊な構造となっているため、金正恩委員長としてはいつでも機会さえあれば、金日成(キム・イルソン)主席の初孫である金正男氏を除去する必要があったのだ。そのように機会をうかがっていたところ、ついに新型中距離弾道ミサイル発射の成功で北朝鮮に注目が集まった翌日、金正男氏まで殺害する大型事故を起こした。このように、自身の政権の安寧のためには血縁まで無惨に処断する北朝鮮の野蛮性を見ながら、われわれは北朝鮮に対する態度や覚悟を徹底して改めなければならない。