「神が創造してから最も偉大な雇用創出者になるだろう（Ｉ　ｗｉｌｌ　ｂｅ　ｔｈｅ　ｇｒｅａｔｅｓｔ　ｊｏｂｓ　ｐｒｏｄｕｃｅｒ　Ｇｏｄ　ｅｖｅｒ　ｃｒｅａｔｅｄ）」。

先月１１日にトランプ米大統領は当選後に初めて開いた記者会見で１０年以内に２５００万件の雇用を作ると公言した。トランプ大統領が照準を合わせている雇用政策の核心のひとつは自動車製造業だ。米自動車「ビッグスリー」のフォード、ゼネラルモーターズ、フィアットクライスラーの代表をホワイトハウスに呼び、米国に工場をもっと作るようにと圧迫した。米国の大統領がビッグスリー代表と一緒に会ったのは２０１１年に当時のオバマ大統領が燃費基準を高める案を協議するために会合を持ってから初めてだ。

就任後の彼の積極的な動きは印象的だ。英国の産業専門紙「マシナリー」は、「トランプ大統領が１４０字のツイッターで企業のリショアリングを導いている」と伝えた。１１日（現地時間）に開かれた北米最大規模の自動車見本市であるシカゴオートショーの話題はトランプ大統領のスローガン「アメリカファースト（米国優先主義）」だ。日本経済新聞は、トヨタ自動車のブースには「私は米国のトヨタです」「米国で累計２５００万台に達した車づくりに関わっている」などのコメントが並ぶと伝えた。日産もピックアップトラック「タイタン」の発表会場で「アメリカン・タイタン」の映像を掲げた。映像には「カリフォルニアでデザインし、ミシガンで試験し、ミシシッピでつくり」など米６州の名前が羅列され、車の性能に対する言及はない。

◇２０歳の臨時職レジーナ・エルシアの悲劇

トランプ大統領がこのような形で１カ月に得た雇用は果たして良い雇用だろうか？

最近フィナンシャルタイムズは米国製造業復興の裏面に集中的にスポットを当て、アラバマの自動車部品メーカーのアジンＵＳＡ工場の組み立てラインで働いて死亡した労働者レジーナ・エルシア（２０）の話を取り上げた。アジンＵＳＡは現代・起亜自動車の現地工場にフレームを納品する協力会社だ。アラバマ州チェンバース郡の未上場企業では規模が最も大きい会社だった。アジンの工場は衰退した繊維産業に代わり税金減免などを受けて設立された。チェンバース郡開発庁によるとアジンＵＳＡの誘致は繊維産業低迷で衰退した地域経済を活性化し、失業率も２００９年の１９．４％から昨年は５．５％と大幅に下げる経済的効果を創り出した。


トランプ大統領、ねじを締める仕事ばかり増やすのですか（２）

トランプ大統領、ねじを締める仕事ばかり増やすのですか（３）