【コラム】失われた保守を探して=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.12.29 15:01
「保守」とは「保全して守る」という意味だ。そのためには確立された価値がなければいけない。自由市場経済や民主共和国のような基本原則のことだ。しかしこの地にはそのような保守的な価値が存在しなかった。言葉だけがあり、実体はなかった。虚像をどのように保全して守ることができるのか。結局、この地の自称保守主義者は違うものを探して守ろうとした。既得権と利権がそれだ。保守と腐敗が同義語のようになってしまったのはこのためだ。保守という言葉が魅力を得られなかった理由でもある。
そのためか、この地のいわゆる保守政党は一度も「保守」という名前を使ったことがない。「民主」や「自由」、「正義」のように進歩にふさわしい用語を好んだ。そのほか「ハンナラ」「セヌリ」のような価値中立的な表現を使った。そのような仮面をかぶっても、自称保守は同じものを追求した。既得権と利権のことだ。