<ノーベル賞の話>「基礎科学を社会に貢献できる何かに」=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.11.22 18:08
次に注目するべきは、研究結果を発表してわずか5年後の2006年にノーベル賞を受賞した点だ。ロジャー氏の成果にはさまざまなものがあるが、2001年にRNAポリメラーゼの構造を解明したことが受賞につながった。ノーベル賞のほとんどが、結果発表後短くて10年、長い場合には数十年後にようやくスポットが当てられて授与に至ったことを考えると、異例の超スピード受賞だった。2006年はRNAの年でもあった。ロジャー氏がRNAポリメラーゼの解明で化学賞を受賞した同年、生理学・医学賞は「RNA干渉」現象を発見したクレイグ・メロー氏とアンドリュー・ファイアー氏が受賞したためだ。つまり、ノーベル委員会が生命現象のメカニズムにおけるRNAの重要性を総体的に認めた年になったと言える。
最後に、興味深い点はロジャー氏が化学賞を受賞したことに対して一部の著名な化学者が「それがなぜ化学なのか」と不満を示したことだ。実際、1990年に入ってからノーベル化学賞の相当数が生命科学を化学的見地からアプローチする人々に贈られることが多かった。ロジャー氏も化学科を卒業し、化学物理分野で博士号を取得した人物だが、研究の素材が生命体だったのだ。時代の流れを読めない人々による嫉妬にまみれた不満だった。