韓経:【コラム】対米貿易黒字縮小ジレンマを迎える韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.11.11 13:52
韓日中3カ国が一斉に予想を覆すトランプ氏の米大統領当選に衝撃を受けた格好だ。3カ国ともに輸出が経済に占める比率が大きいという共通点を持つ。したがって保護貿易主義を主張しながら世界貿易機関(WTO)脱退にまで言及したトランプ氏の登場で、韓日中3カ国には危機感が強まっている。
韓国の対米貿易黒字は韓米自由貿易協定(FTA)が発効される前の2011年末の116億ドルから昨年末には258億ドルへと大幅に増えた。このためトランプ氏は韓米FTAを米国で10万件以上の雇用を奪った「雇用キラー」と表現し、改正するべきだと強調した。しかし国家間の協約で発効したFTA条約を改正するのは容易でない。改正のためには両国間FTAのため深刻な被害を受けている産業部門を調査する必要があるが、これだけでも1年以上かかると予想される。その後、少なくとも3回以上の実務会議を行う。両国の議会通過などを勘案すると、2年以上かかる可能性が高い。したがって米国は時間もかかり改正も容易ではないFTAに手をつけるより、これをテコとして活用し、対米貿易黒字を減らすよう通商圧力を強化する可能性が高い。米国は一般・スーパー301条だけでなく、為替操作国に指定できるベネット-ハッチ-カーパー(BHC)法案、反ダンピング、相殺関税など通商圧力に動員する他のカードも多いため、韓国の懸念は深まるしかない。