【コラム】私教育に引退資金をつぎ込む韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.29 15:23
インドのある村に、とても貧しい家庭があった。狭い家で祖父母、子供と孫まで全員同じ部屋で過ごすほど暮らし向きが苦しかった。貧困の中でも温かい心を持った彼らは万が一お客さんが訪ねてくる時に備えて食糧が足りないのに一部を別に保管する習慣があった。だが実際に訪れるお客さんはほとんどいなかった。お客さんのために備蓄しておいた食糧が常に残っていた。彼らはその食糧がある程度たまると、傷む前に市場に持って行ってお金に変えていた。長い歳月が流れてみたら自分たちも知らないうちに大金がたまっていて、近所の村人たちも彼らをまねながらほかの村よりはるかに良い暮らしをすることになったという。
単純な話のようだが私たちに「きちんと積み重ねること」の重要性をよく分からせてくれる。例に挙げたインドよりも韓国ははるかに良い暮らしをしている。1人あたりの国内総生産(GDP)を見るだけで分かる。世界中で良い暮らしをする国に挙げられるが老後の準備だけはそうではない。韓国の高齢者の50%は貧困層に属する。経済協力開発機構(OECD)加盟国のうちで最上位圏だ。韓国よりも高齢化が先に始まった日本の高齢者層の貧困率が20%台であることを考慮すれば、状況がどれほど深刻なのかが分かる。