【コラム】大韓民国の国力を問う
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.11 17:11
大韓民国の「国力」を実感する瞬間はいつだろうか。それぞれ異なるだろうが、個人的な経験を話すときは「北極出張」を挙げたりする。2012年夏の記憶はまだ新しい。ノルウェーのスピッツベルゲン島のニーオーレスンに取材に行った。北緯79度の凍土だ。ここには「北極茶山(ダサン)科学基地」がある。誰でも加われるわけではない。ドイツ・フランス・中国など11の強国の基地と肩を並べる。科学技術は基本だ。経済力・外交力・国家地位などを加えた「総合的国力」があってこそ名刺を差し出すことができる。当時、極地で感じた自負心はまだ余韻が残っている。
北極の寒風がさらになつかしく感じる最近の猛暑の中、高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備をめぐる韓国の立場は無力感をさらに強める。北朝鮮のミサイル、在韓米軍の防御、中国の報復、配備地域の反発などが絡む「高次方程式」のため落ち着かない。フォルクスワーゲンとアウディの排ガス不正疑惑もどうなるのか。世界2位というこのドイツの企業は韓国市場を軽視しているようだ。米国では波紋が広がった後、17兆ウォン(約1兆5300億円)近い補償を約束した。しかし韓国には「米国と韓国は法が違う」として謝罪もまともにしない。それほど韓国政府の行政力を軽く見ているのだろうか。昨年のこの時期、韓国政府は光復(解放)70周年を迎え、これまでの成就と高まった国力を誇った。しかしTHAADとフォルクスワーゲン事態のように相次いで「袋叩き」にされるのを見ると興ざめする。