【コラム】青瓦台の風景(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.04 10:50
大統領の言葉は悲壮だった。「私も胸がしびれるほど痛く両親を失いました」――。朴槿恵(パク・クネ)大統領の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備関連発言だ。その言葉は2日に青瓦台(チョンワデ、大統領府)での閣僚会議で出た。大統領は「私に残った唯一の天命は国と国民を脅威から安全に守ることです」とした。
朴大統領の家族史は悲哀を誘う。そこに天命意識を投射した。背水の陣を敷いたような言葉だ。以前ならばそれは独特の刺激だ。合わせて反応したい誘惑だろう。いまは変わった。その言葉はまったく国民に届かなかった。ばらばらになったまま伝えられた。