【コラム】グローバル長期沈滞と政策失敗=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.05.18 11:14
2007~2008年の世界的金融危機とその後に続いたユーロ圏の経済危機以降、世界経済、特に先進国経済は中央銀行の大幅な量的緩和と超低金利施策にもかかわらず8年が過ぎたこの時点でも低調な成長を見せている。このような背景で1930年代末に提起された「長期沈滞論」、すなわち構造的要因による低成長傾向が長期間(少なくとも数十年)続くという仮説が再び登場することになった。特に世界的大学者で経済政策分野に相当な影響力を持つハーバード大学のローレンス・サマーズ教授(元米財務相)が米国経済をはじめとした主要先進国経済はすでにこのような長期沈滞局面に入っていると言えるという論拠を提示してから長期沈滞論に関する賛否議論が続いている。
ここでわれわれが注目しなければならない部分は、長期沈滞論が内包している主要政策的示唆点だ。長期沈滞論は大きく需要と供給の2つの側面から主要因を求める。もちろんサマーズはケインズ的視点で総需要不足をその主要因に挙げる。したがって彼は総需要向上のためにゼロ金利の限界にぶつかっている金融政策よりも国債を発行してでも財政を通じて社会間接資本投資と教育部門投資を大幅に増やすことを強調する。長期沈滞を克服するにはある程度の今後の金融不安定のリスクは受け止めるべきと考える。いずれにせよサマーズは長期沈滞も政策の成否により明暗が分かれるとみているのだ。