中国が主導するアジアインフラ投資銀行（ＡＩＩＢ）が１６日、北京で開所式と創立総会を開いて公式にスタートした。

ＡＩＩＢは創立総会で総裁と理事を選出した。金立群・元中国財政次官が総裁に、韓国のソン・インチャン企画財政部国際金融政策局長ら１１人が理事に選任された。理事会の主席は楼継偉・中国財政部長がつとめた。韓国は加盟国の中で投票権の割合が５番目に大きく理事を継続してつとめることができるようになった。一部の国家は順番に理事職をつとめる。

ＡＩＩＢは１７～１８日に開かれる創立理事会で事務総長・投資（ＣＩＯ）・財務（ＣＦＯ）・管理（ＣＡＯ）・法律（ＣＬＯ）担当５人の副総裁を選任する予定だったが、２月中旬に選出を先送りした。代わりに創立理事会で総裁が５人の副総裁候補を提案し、意見の取りまとめ過程を経た後に副総裁を最終選出することにした。各国がプロジェクト選定に影響力を行使するために核心副総裁の席をめぐって激しく水面下での競争を行いながらだ。

ＡＩＩＢは創立初年度に最大１０件のプロジェクト、１２億ドルの融資を目標として立てた。融資規模は２０１８年に３５億ドルまで拡大する。１番目のプロジェクト承認は今年の下半期になる予定だ。

１６日午前、北京釣魚台で開かれた開所式に参加した習近平中国国家主席は「（ＡＩＩＢが）人類の運命共同体を作る新しいプラットホームになるだろう」と話した。

開所式に参加した柳一鎬（ユ・イルホ）経済副首相は領域内国を代表した祝辞で「初めに道はなかった。多くの人が歩けば、それが道になる」という魯迅の文を引用してＡＩＩＢ設立を祝った。柳副首相は「中長期の投資財源調達が難しいアジア地域にＡＩＩＢが重要な役割を果たすように願う」と話した。

創立総会に参加した李克強首相は「中国の国内総生産（ＧＤＰ）は昨年７％前後、言いかえればほとんど７％近く成長した」と明らかにして中国経済の成長率の下落傾向を確認した。

柳副首相はこの日の夕方、韓国特派員との懇談会で今年の韓国経済を慎重に楽観視した。柳副首相は「昨年の韓国経済は予想できないＭＥＲＳや原油価格の下落でさまよった」として「今年は低原油価状況に適応し、イラン制裁の解除で海外建設と輸出が増えるだろう」と展望した。

◆ＡＩＩＢ、２０２１年までに職員７００人採用＝ＡＩＩＢは今年フルタイム職員１００～１２０人を始め２０２１年までに７００人を採用する計画だ。ＡＩＩＢはホームページ（aiib.org）を通じて新規職員を公募しており、５人の副総裁や局長９人をはじめ３８人の書類受付をすでに終えた状態だ。