クリスティーヌ・ラガルド国際通貨基金（ＩＭＦ）総裁は韓国経済新聞とのインタビューで、今年の世界経済の核心キーワードとして「不確実性」と「構造改革」を挙げた。困難な時ほど基本に忠実でなければならないという勧告だ。彼女は韓国については不安と憂慮よりも「希望」を話した。輸出が難しいが内需を育てて対応でき、長期的に構造改革さえ成功すれば競争力のある未来があると強調した。

インタビューは昨年１２月末、米国ワシントンＤＣのＩＭＦ本部１２階にある彼女の執務室で行われた。インタビューは米国の金利引き上げから世界経済の展望、韓国経済の将来、ＩＭＦ改革、そして総裁の今後の去就まで取り上げて１時間半にわたり行われた。ラガルド総裁はこの日、韓国人デザイナーのイ・サンボン氏の服を着てインタビューに応じた。自身の健康維持の秘訣は韓国産の紅参茶を毎朝飲むことだとも紹介した。彼女は記者の質問を最後まで傾聴した後、慎重かつ簡潔に答えた。

－－米国中央準備制度理事会（ＦＲＢ）が最近、金融危機後７年ぶりに金利を上げた。これまで新興国の経済状況を考慮して米国の金利引き上げに反対してきたが、どのように評価するか。

「今回の金利引き上げで注目する点が３つある。最初はＦＲＢが米国経済の回復と成長を確信しているという点を確認したことであり、２番目は今後追加の引き上げをしても雇用と物価指標を確認しながら徐々に景気浮揚的な基調を維持していきながら行うと強調したことだ。最も重要なことは、ＦＲＢが金利引き上げの決定過程で市場との意思疎通に特に気を遣ったという点だ」

－－ＦＲＢが金利をどれほどはやく、高く上げるかに市場の関心が注がれている。

「金利引き上げの幅も時期も重要だが、その過程での意思疎通がもっと重要だとみている。ＦＲＢは市場投資家だけでなく各国の中央銀行および政策当局者が状況を予想できるように持続的に疎通する努力をしなければならない」

－－今年の世界経済の展望が暗い。一部の新興国では危機説も出てきている。

「ＩＭＦは昨年１０月に２０１６年の世界経済成長率を３．６％と予想した。今月中旬に新しい展望値が出てくるだろう。２０１６年の世界経済状況は複雑だ。一部の先進国経済はゆるやかな回復傾向を見せるだろうが、新興国経済はさらに悪化すると思われる。中国の成長鈍化と原材料価格の下落、米国の追加金利引き上げなどさまざまな変数が複合的に影響を及ぼしながら不確実性が支配する１年となるだろう」

－－各国の政策当局者の悩みが大きくならざるをえないはずだが、どのように対応するべきか。

「このような時であるほど構造改革を通した成長潜在力の拡充に集中しなければならない。先進国も新興国も同じだ。短期政策は各国状況によって優先順位が変わる可能性があるだろう。先進国は当分、景気浮揚的な通貨政策基調を維持することが良い。新興国は、企業負債と銀行の融資規模、特に海外負債の管理に留意しなければならない。インフレーションの圧力が大きくない国家では、為替レート政策を柔軟に使うことも、対外変数が経済に及ぼす衝撃を減らすために役立つだろう」


ＩＭＦ総裁「基本技が丈夫な韓国、構造改革うまくいけば競争力ある未来開かれる」（２）