<米国金利引き上げ>韓銀総裁の金利ジレンマ…上げればデフレ、放置すればドル離脱
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.12.18 12:18
米国の金利引き上げによって触発された「大亀裂(great divergence)」時代、韓国は進退両難の窮地に追い込まれた。先進国と新興国の中間に挟まれているからだ。ユーロ圏のユーロや日本の円は国際通貨だ。米国が金利を引き上げてもEUや日本が金融緩和政策を押しつけられる理由だ。しかし韓国は立場が違う。米国との金利差が狭まればドルのエクソダス(大脱出)に巻き込まれる危険が大きい。製造業が堅固だったのに1998年に韓国が通貨危機を迎えたのもドル不足のためだった。
それでも米国に従って金利を引き上げることも難しい。政府と韓国銀行は、米国が金利を上げる前日に「デフレーションとの戦争」を宣言した。上がる物価を引き下げるのではなく、下がる物価をそそのかすことが急務だ。このような状況で金利を上げれば、それなりに生き返った内需景気に冷水を浴びせる憂慮が大きい。金利の引き上げはウォン高を招いて韓国の輸出企業にも負担を与える。米国が金利を引き上げるとすぐに韓銀が「否定的影響は制限的」としながら「直ちに金利を上げる計画はない」と一線を引いたのはこのためだ。