朴槿恵（パク・クネ）大統領が「節制した赦免」を選択した。金賢雄（キム・ヒョンウン）法務長官は１３日、赦免を発表し、「国民が共感できる節制した赦免となるように明確な基準と原則に基づいて赦免を実施した」と強調した。その言葉通り、光復（解放）７０周年特別赦免名簿で財閥トップは崔泰源（チェ・テウォン）ＳＫグループ会長だけであり、政治家は一人も含まれなかった。

朴大統領はこの日、臨時国務会議で「今回の赦免は生計型赦免を中心に多数の庶民と零細業者に再起の機会を与え、当面の課題である経済回復と雇用創出のために建設業界・ソフトウェア業界、また一部の財界人も赦免の対象に含めた」と述べた。赦免に言及する大統領の強調点は庶民と零細業者→建設・ソフトウェア業界→一部の財界人の順だった。

その結果、財界人は当初、崔泰源会長を含む１４人だったが、金升淵（キム・スンヨン）ハンファグループ会長、ク・ジャウォンＬＩＧ会長など赦免対象に挙がったいた人たちが一斉に除外された。

青瓦台（チョンワデ、大統領府）の関係者は「朴大統領が国民大統合レベルで特赦方針を明らかにし、対象を物色したが、大統領が明らかにした赦免原則を満たす人はごく少数だった」とし「崔泰源会長のほかにも数人を検討したが、国民が共感できる要件に達しなかった」と話した。大統領の「赦免原則」を厳格に適用した結果ということだ。朴大統領は普段から「財界人の赦免は納得できるほどの国民的な合意があってこそ可能」と話してきた。

別の青瓦台関係者は「ロッテ事態などが広がり、すでに明らかにした朴大統領の赦免の原則があるだけに、財閥トップに対しては厳格な基準を適用しなければならない雰囲気が作用し、法務部の赦免審査委も厳格な原則を適用した」と述べた。この関係者は「その代わり零細商工人（１１５８人）の赦免と道路交通法違反など生計型犯罪者特別減免（約２２０万人）で国民の統合と士気を高めようという赦免の趣旨を生かした」と説明した。

政界の反応は分かれた。セヌリ党のある重鎮議員は「経済人の赦免をするというなら経済活性化の雰囲気を生かす方向に進むべきだが、残念だ」と述べた。セヌリ党の金栄宇（キム・ヨンウ）首席報道官は論評で、「今回の特別赦免は、法秩序確立に対する確固たる意志を堅持しながらも国民大統合と経済回復のための大統領の苦悩に満ちた決断と考えることができる」と述べた。

野党の新政治民主連合の兪銀恵（ユ・ウンヘ）報道官は「今回の赦免は『公正かつ透明な市場秩序を確立し、大企業中心の経済の枠組みを変える』という朴槿恵大統領の公約に大きく背き、非常に遺憾」と批判した。また「朴大統領は国務会議で腐敗の清算に政府全体レベルの力を結集すると述べながらも、今回の赦免に市場の秩序をかく乱し、公正取引を違反した建設会社と横領・背任・粉飾決算をした不正財界人までも含めた」と指摘した。