【コラム】ギリシャのための弁明=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.07.02 13:14
欧州がユーロという単一通貨を使おうと言ったのが1992年に締結されたマーストリヒト条約だ。当時欧州の人たちは歓呼したが、米国人は非常に渋かった。著名な経済学者ポール・クルーグマンはこのように皮肉った。「聞くだけなら良いが完全にナンセンスな協定を作り出した。どんなことが起きるだろうか」と。だが、99年1月「どんなこと」が起きた。ユーロを単一通貨にするユーロ圏がスタートした。当時私はクルーグマンの指摘を妬みだと考えた。唯一の基軸通貨であるドルにあえて挑戦するのかという風に聞こえたからだった。実際にユーロ圏スタート当時に米財務次官だったローレンス・サマーズさえ「ユーロは国際通貨ではなく域内通貨」と見下した。ドルの覇権は維持されるだろうというニュアンスだった。米国だけそうしたのではない。当時アジア通貨危機で、この地域の盟主になろうとしていた日本もユーロ圏のスタートに焦った。アジア通貨統合論を主唱した理由だ。なので世界経済の主導権を欧州と二分することになった米国の妬みと考えるしかない。
だが、2010年に欧州で財政危機が発生し考えが変わり始めた。つい数日前にはギリシャが不渡りを出したというニュースを聞いて為替相場主権のない通貨統合がどれだけ危険なことかを改めて悟ることになった。なぜそうか。