【コラム】青瓦台の常識とメディアの常識(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.06.23 13:57
トルコから来たジャーナリストに最近インタビューしたことがある。トルコで最も大きな民営ニュース通信社の社長だ。記者出身でメディア社長になった彼は、トルコのメディアの状況について長い嘆息をついた。エルドアン大統領の権威主義的な統治と絡み合ってメディアの状況がますます悪化しているということだ。彼はトルコのメディア弾圧の実態を具体的に紹介した。数え上げた事例の中には、大統領室が報道機関に電話をかけて圧力を加え、批判的な報道機関を政府の広告配分から除外するという話もあった。
中東呼吸器症候群(MERS)事態の飛び火が、こともあろうかメディア界におよんだ。先日、朴槿恵(パク・クネ)大統領がソウル大学病院を訪れた際に病院のあちこちに掲示されていた「救わなければならない」という文面が火種だった。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の「演出」を疑ったネットユーザーが作ったパロディがソーシャルネットワークサービス(SNS)に列挙されると、ある日刊紙がこれを記事化した。しばらく後で青瓦台の広報首席がその新聞社の編集局長に電話をかけて「それが記事になると思うのか」と尋ね、編集局長は「その判断は私たちがする」と答えたということだ。それで終われば、エピソードとして埋もれ過ぎ去った可能性が大きい。