「慰安婦のおばあさんの痛み、あってはいけないこと…映画で全て伝えたい」(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.05.18 14:58
先月29日、京畿道抱川市(キョンギド・ポチョンシ)の大真(テジン)大学体育館。地下の暗くて涼しい映画セット現場では10人余りの俳優が絡んで地獄のワンシーンを演じていた。日本軍の制服を着た男たちはあどけない少女たちを荒々しくつかみ、慰安所を再演した木材建物の狭い廊下は、ぞっとするような悲鳴で埋め尽くされた。空中に浮いたカメラだけ静かに動きながら荒々しい暴力と苦痛を記録していた。脱出を図る慰安婦の少女を無差別的に制圧する日本軍。映画『鬼郷』の最も決定的な場面だ。
『鬼郷』は10代の頃に日本軍の慰安婦として連行されて行った女性たちの話を描いた映画だ。光復(解放)70周年を迎える今年8月15日、被害女性のおばあさんたちを招いた試写会を目標に撮影の真っ最中だ。日本人たちが「慰安婦の強制連行の証拠がない」として訴訟を提起し、安倍晋三首相の歪曲された過去の歴史認識が改めて確認されながら映画は一層注目を浴びている。3月には米国ニューヨーク・タイムズ(NYT)も映画の集中的に扱った記事を掲載した。こうした関心は映画に向けた期待を反映している。『シンドラーリスト』『ピアニスト』『ライフ・イズ・ビューティフル』などホロコーストを扱った映画が歴史の真実を伝えるのに一役買ったように、『鬼郷』が慰安婦問題を表現して良心を呼び覚ますだろうという期待だ。『鬼郷』のチョ・ジョンネ監督も「この映画が慰安婦問題の文化的な証拠になることを望む」と話した。